はじめに


小さな小さな本の店です。

保育士として働きながら、こどもたちに良い本とはどんな本なのか、日々教えてもらっています。

昔話や詩や絵本。

美しい絵や面白い言葉。

まだ文字の読めない小さなこどもさんに、もう文字を読める大きなこどもさんにも、ぜひ「あなたの好きな本」を選んで読んであげてください。

本に限りません。あなたの好きな音楽を、あなたの好きな季節を、あなたの好きな花を、好きというそのきもちの尊さを、表していてください。

そうすれば、世界はきっと大丈夫だと思うのです。

だれかの目を気にしたりせずに、自分の心に正直にいられる場所が、本にはあります。

こどもたちが、大人になっていく過程で、思いもよらぬ深い闇に入りこむ時があるかもしれません。

だれにも話せない、話したくないことが出てくるものです。

父親や母親には尚更です。

そんな時、本の中に答えを探そうと足を踏み出すことができれば、きっと大丈夫だと思うのです。

その一歩を踏み出せるかどうかは、本の持つ魔法を知っているか否かによると思うのです。

本には魔法があります。本にしかない魔法が。

いしとゆきは、その魔法を失うことのないよう、灯りをともしていきます。